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社会学専攻

社会学専攻

人間社会のさまざまな現象の「当たり前」を問い直す

社会学専攻では、個々の態度や関係から全体に関わる制度や構造まで、幅広い視点で分析を行います。対象の領域は、グローバル化、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、貧困、労働、教育、医療、地域社会、宗教、自己など多岐にわたります。こうした人間社会のさまざまな現象について、「当たり前」を問い直しながら実証的に探求します。

PICK UP 授業

社会学専攻の特徴的な授業を紹介します

仕事の社会学長松奈美江 教授
「働くこと」の過去・現在・未来

皆さんは、日本人の働き方についてどう思いますか?日本では、なぜ学校卒業後すぐに就職することが「普通」とされているのでしょうか?なぜ過労死や過労自殺がなくならないのでしょうか?なぜ男女で働き方が違うのでしょうか?なぜ、働くことによって幸せになれたり不幸になったりするのでしょうか?
この授業では「働くこと」にまつわるさまざまな疑問について、社会科学のツールを用いて多角的に検討していきます。鍵となるのは日本的雇用システムの理解です。「仕事の社会学」で学ぶことで、日々の労働ニュースの裏側にある事実を理解できるようになるでしょう。

ボランティアの社会学関嘉寛 教授
ボランティアから現代社会における
コミュニケーションを考える

 ボランティアを勉強するというと、ボランティアをうまくする方法やボランティアする人の動機を考えると思われるかもしれません。しかし、この授業ではボランティアから見える社会の特徴を考えていきます。例えば、お金をもらって被災地で片づけをしても、「ボランティアで」片づけをしても、どれも同じ「片づけ」です。ボランティアの特徴は、活動の内容にあるのではなく、私たちのボランティアに対するイメージに由来しているのです。したがって、このイメージを探ることで、ボランティアや現代社会について理解を深めることができるのです。

ゼミ紹介

フィールドに関わり、
社会の「リアル」と出会う大岡栄美 准教授

大岡ゼミの調査テーマは「つながりの社会学」です。私たちの生きる現代社会は「選択縁」の社会と言われています。かつての社会では家族や親戚、ご近所など、自分では選ぶことができない人たちとの強いつながりが社会の土台になっていました。それが現代では、SNSなどにも代表されるように、自分が選んだ、自分の付き合いたい人とだけ、選択的につきあうことが可能な社会へと変化してきました。個人は自由を手にしました。その反面、社会的孤立やコミュニティの弱体化それに伴う新たな課題が、わたしたちを孤独で、生きづらくしている側面もあります。

ゼミでは、こうした現代社会における社会的つながりの課題とまた課題解決に向けた新しいアプローチを、フィールドワークを通して学んでいます。強いつながりに変わる弱いつながり、緩いつながり作りが「どこ」で、「だれ」によって生み出されているのか。
学びを通じたコミュニティ、ユースセンター、カフェや喫茶店、地域食堂やつどい場、マルシェ、市役所など、さまざまなフィールドでインタビューをし、地域の人と出会い、語りに耳を傾けます。またともに活動する中から、課題解決につなげるまちづくり実践として、地域イベントやワークショップを行うこともあります。主に大学のある西宮市をフィールドに活動しています。
大学進学で西宮市に下宿していても、西宮市に通学していても、西宮と出会うことなく卒業する学生も多いので、身近なフィールドワークを通して、自分の暮らす、そして学ぶまちの魅力に気づいてもらうのも、ゼミの調査目的の一つと言えるかもしれません。

先輩たちの声

徳島市立高等学校出身
春藤 麻友さん 4年
現地調査を通じて、
地域課題の本質を探る

「質的研究法」という授業で、実際に調査する現地の人と関わったことで、自分の生まれ育った地域や普段の生活圏とは異なる場所でこそ新たな気づきがあり、自分を成長させられると考え、大岡ゼミへの所属を選択しました。
ゼミでは、西宮市を活動の拠点として、地域コミュニティの衰退化が顕著な現代社会において、どのように市民交流の機会を生み出し、まちの活性化を図るのかを研究テーマに掲げ、市民のかたへのインタビューやイベントの企画を通して調査・研究を行っています。個人ではなくチームで活動するため、自分にはない考え方やものの捉え方を吸収したり、新しい価値観を生み出したり、互いに刺激的な関係性を築けることも自己成長につながっています。

卒論テーマ

  • サイクル・ツーリズムから考える交流人口から定住人口への移住過程
  • 公共空間に求められる市民力と包摂力:都市公園の商業化から考える新しい公共の形
  • 阪神ファンはなぜ弱い阪神を熱く応援するのか?
  • 母親の育児不安を生み出す要因:階層、子育て方針(理想)、子育てのあり方(現実)
  • 一人暮らしの認知症患者のケアにおける「その人らしさの尊重」とは
  • 韓国社会における男性の兵役義務とジェンダー対立の深まり
  • なぜ体罰は容認されるのか:体罰を受けた経験を持つ体育会学生の語りから
  • 「落語する」経験と落語研究会の「居場所」性
  • 入社前から転職活動を見据えている人々
  • 美容行動を避ける男性心理の探求