「数学嫌いだった学生時代」
――高校時代は何に興味がありましたか?
部活には所属していなくて帰宅部でした。科目でいうと、世界史が好きでした。特に先生の雑談が面白かったですね。また、当時も今もなんですけど、心理学的なものが流行っていて、ある種の心理テストというか心理占いや性格判定みたいなことをして、人の性格を分類するという趣旨のテレビ番組を見ていました。それで人の心というのに少し興味を持ちました。ただそれも非常に漠然としたもので、絶対にここという風に決めていたわけではないですね。
――テレビ番組が学部選びのきっかけになったんですね!横浜市立大学への進学の決め手はなんですか?
高校の時点で文系に進むと決めました。数学をあまり勉強しなくても受けられる大学を進学先に決めました。そして文系学部の中では心理学的なものに一番関心があったので、最終的に心理学を選びました。
――なるほど。最初は数学も避けていた上に、社会学じゃなくて心理学だったんですね!
大学の学部には心理学、社会学、文化人類学、教育学の4つの専攻があって、そこから心理学を選びました。当時はあまり社会学に興味を持っていなかったです。そして数学嫌いといっても心理学に使うので、データ分析には最低限ですが触れていました。ただ当時はサメーション(総和記号)を見るのも嫌いで、苦手意識は持ったままだったので、数学でご飯を食べていくことになるとは全く考えていなかったです(笑)
――数学と接点を持ったのはここからなんですね!心理学の中では、どのようなテーマを研究されていたんですか?
コミュニケーションに関心があって、コミュニケーション論を勉強していました。卒論では、非言語コミュニケーション(言葉以外の顔の表情が相手に与える印象など)を考察することに取り組んだりだとか、いわゆる社会心理学で取り上げられるテーマを扱っていました。
――どうして関西学院大学院へ進学したんですか?
大学院も最初は、心理学的なコミュニケーション論を引き続きやろうと思っていました。実家が京都だったので、京都から通えるところを探しました。当時通っていた大学の先生に相談したら、関学の社会学部の藤原武弘先生を紹介してもらったので関学の大学院へ進学しました。
――大学院での研究テーマを教えてください。
最初は社会心理学をやろうとしましたが、自分のやりたいこととは違うと感じるようになったので専攻を変えて、社会学の研究をいろいろしました。同じコミュニケーションでも社会学的な視点でやりたいと考え、修士論文ではアーヴィング・ゴッフマンの相互行為論(演技的なコミュニケーションについての研究)を日本の状況に落とし込んだときにどのようなことが言えるかという理論を執筆しました。